魚の排泄物だけじゃ足りない?アクアポニックスで不足する栄養素

アクアポニックスを運用していると適切にエサを与えているのに、植物の成長に異常が出ることがあります。この原因、実は栄養不足。特に中規模以上のアクアポニックスでは魚の排泄物だけでは栄養が不足してしまう場合が多く、足りない栄養素は補わなければいけません。今回はアクアポニックスで不足しやすい栄養素について解説していきます。

目次

魚の排泄物だけじゃ足りない?アクアポニックスで不足する栄養素

魚と家畜の排泄物に含まれる栄養は似ている

アクアポニックスでは魚の排泄物を野菜の肥料に変えて、野菜を育てます。みなさん動物の排泄物を発酵させた堆肥を肥料として利用するのは聞いたことがあるのではないでしょうか。家畜の排泄物には野菜の肥料となる成分が含まれています。魚の排泄物に含まれる栄養は家畜の排泄物に含まれる栄養と類似しているため、野菜を育てる肥料としてアクアポニックスでは魚の排泄物を利用しています。

魚の排泄物も完璧ではない

アクアポニックスで栄養が作られるフローは次の通りです。

  1. 魚が餌を食べる。
  2. 魚がエサを消化し排泄物を出す。
  3. バクテリアがその排泄物を餌にして分解する野菜の栄養を作り出す。
  4. 野菜が栄養を吸収し成長する。水を浄化する。

実際にアクアポニックスを運用して野菜が育つ様子を見てみると、このフローの餌の段階で植物の栄養の元となる成分が含まれていて、魚を通して栄養が供給されているのがわかります。しかし、必ずしも魚の排泄物は野菜が育つ肥料としては完璧ではありません。栄養が含まれていても、野菜が必要とする量を供給できない場合があるのです。

栄養不足は日頃の観察でもわかる

Plant Nutrients Explained: Everything You Ever Need To Know
https://www.epicgardening.com/plant-nutrients/

何かの栄養素が足りなくなると、この画像のように葉が黄色くなるなど植物の成長に問題が生じます。葉の状態がいつもと違うように見えたら栄養不足のサインです。日常の管理で葉の様子をよく観察すると、アクアポニックスの水質がわかります。

アクアポニックスで不足しやすい栄養素は3つ!

アクアポニックスで不足しやすい栄養素は鉄、カリウム、カルシウムです。他にもマグネシウムが不足しやすいともいわれますが、葉の状態が悪くなったら、まずこの3つの栄養素を疑うようにしましょう。この栄養素が不足した場合、魚の餌だけでは補うのは難しいです。植物に異常が確認されたら適宜、サプリメントとして水に栄養を添加する必要があります。

栄養を補充する方法

アクアポニックスで不足する栄養を補充する方法は大きく分けて2つあります。

  • 不足する栄養素ごとにサプリメントを追加する方法
  • 複数の栄養素が含まれたサプリメントを追加する方法

栄養素ごとのサプリメント

大規模な農場では不足する栄養ごとに追加する事例が多いです。ここでは趣味レベルでも使いやすい商品を紹介します。

メネデールは2価鉄イオンを含んだ活力剤です。これまでの経験上、アクアポニックスの栄養不足でまず一番に疑うべきは鉄不足です。メネデールは窒素肥料などを含まないため、純粋に鉄イオンを補いたい場合に利用できます。

炭酸カリウムは水に溶けやすく食品添加物としても使われている製品です。カリウムは植物に必要な三大栄養素の一つで、生育に大量に必要になるため、不足しやすいです。炭酸カリウムはPHが11と非常に高いため、一度に多く水に溶かすと栽培システムのPHを大きく変えてしまいます。魚にとっても負担が大きく、最悪の場合死んでしまいます。投入量には注意するようにしましょう。

カルシウム不足には炭酸カルシウムが利用できます。炭酸カルシウムも食品添加物に利用されるような成分ですがPHを上げる作用がありますので投入量には注意が必要です。カキ殻など貝殻を水槽に入れてカルシウムを補う方法もありますが、長期にわたって水に貝殻をつけておくと、炭酸カルシウムと同様にPHを高めてしまいますのでこちらもPHを気にしながら利用するようにしましょう。

複数の栄養を含んだサプリメント

海藻のエキスを抽出したこの製品は60種類以上のミネラル・微量要素・アミノ酸をはじめ植物生長ホルモンなどを豊富に含んでいるため、これ一つで栄養補給が可能な便利な商品。ただし、使用すると水が茶色に色づくため観賞用水槽にはあまり適さないかもしれません。水の色づきが大丈夫であれば苔や藻の発生を抑えてくれるので、栄養補給と合わせて一石二鳥の商品です。

さとうきびから砂糖を作る際に生じる糖蜜を発行させて作った有機肥料です。こちらも海藻エキスと同じように利用ができますが、水が茶色になってしまうのが観賞用水槽にとってのデメリット。それを気にしなければ植物由来で安心便利な商品です。

栄養補給する際の注意点

必ずしも不足している栄養は鉄・カリウム・カルシウムとは限らない

栄養を補充する際の注意点です。1つ目は必ずしも不足しているのは鉄・カリウム・カルシウムとは限らないということです。よくあるのは魚の餌の量がそもそも足りておらず、全体的な栄養が足りていないケースです。人間も健康を維持するためには、栄養をサプリだけで補うのではなく日常の食事からの栄養摂取が大切ですが、アクアポニックスも同様です。魚が十分に餌を食べていない、また植物を植えすぎていると、野菜の栄養不足が生じてしまいます。まずは餌の量が適量であるか確認しましょう。

栄養の入れすぎに注意

栄養を補充する際の注意点の2つ目、栄養の入れすぎに注意です。
カリウム、カルシウムは多量必須栄養素ですので、少し多く投入しても許容できる場合がありますが、鉄は植物にとって微量必須栄養素ですので、多量に添加するとトラブルの原因となります。アクアポニックスでは水の中に1Lあたり2~5mgの鉄があれば十分であると言われています。栄養を添加する際には特にその量に注意するようにしましょう。

PHの変化に注意

栄養を補充する際の注意点の3つ目、PHの変化に注意しましょう。カリウムやカルシウムの資材はアルカリ性でPHを上げる作用があります。少量でも大きくPHを変えてしまうため、多量に投入すると魚がPHショックを起こしてしまうことがあります。栄養素を添加する際には少量ずつ、PHを観察しながら追加するようにしましょう。

アクアポニックスは日ごろの観察が大切

ここまでアクアポニックスで不足しやすい栄養素とその補い方を紹介してきました。大規模な農場では日常的に不足しやすい栄養素の補給は基本ですが、趣味レベルなら栄養不足が発生してから対策しても大丈夫です。栄養不足に気づくためには日ごろの植物の観察が大切。少しでも何かいつもと違う、思っている植物の姿と見た目が異なるなどあれば栄養不足の可能性があります。ただ、先述していますが魚に与える餌の量が少ない場合には、まずは野菜の量に対して適切な餌を投入するようにしましょう。

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